3種類のパズルで遊べるが・・・

おすしパズル2

総合評価
star1

パズルの難易度
star5

独自性
star3

初心者向き度
star1

 まずはこのような結果になったことについて、お詫び申し上げます。
 本作には魅力的な要素もありましたが、残念に思う要素が多数あったことから、このような結果に至ってしまいました。

 ここでは最初にゲームの概要と良かった点を紹介し、次に残念・不満だったことを3点述べます。最後に改めて総評という形で進めて参ります。

<概要>

・お寿司のネタがパズルのピースになったゲーム。
・ステージごとに提示されたクリア条件を、決められた手数以内にクリアする。
・ゲームを始めると、マップ画面が表示されてパズルのステージが連なって並んでいる。レベル1をクリアするとレベル2に行くことができる。過去のステージで何度でも遊ぶことができる。
ライフ制度も導入しているので、パズルがクリアできなかった場合はライフが減り、ゼロになるとしばらく遊べなくなる。ちなみに、ライフは有料アイテムを使うか、時間経過で回復する。
・パズルのピースを4つ以上消すと、一列消す効果を持つものなどの特殊ピースが登場する。特殊ピース同士を合体させるとさらに強力な効果が出る。
・ログインボーナスの他に時間経過でブースターがもらえる。

<良かった点>

・ピースののデザインが丸いお寿司の形をしていてかわいい。
・30分おきに無料でアイテムがもらえる。
・ライフの上限は最大8つまで増やすことができる。

そして最も魅力的だったのが、
3種類のパズルで遊べること。その3種類とは、

マッチ3・・・枠内に配置されたピースを上下または左右に動かし、同じ色を縦か横に3つ以上揃える。Bejeweledとルールが似ている。
マッチチェイン・・・同じ色のピースを2つ以上なぞって消す。LINEツムツムと似ている。
マッチクリック・・・同じピースが2つ以上並んでいるところをタップして消す。トゥーンブラストに似ている。

1つのゲームで3種類のパズルが遊べるなんてまるで夢のよう!パズル好きにはたまらない作品!

に見えたのですが・・・

残念・不満だったところ 1.マッチ3の割合が多い

 1~100面までのパズルの種類の割合は、

 マッチ3:マッチチェイン:マッチクリック=75:15:10

 明らかにマッチ3が多いです。しかも、100面台はマッチチェインとマッチクリックが登場しません。
 確かにパズルの種類が一定の間隔で均等に登場するとは書かれていないので、あながち間違いではないのですが、個人的には他のルールも同じくらい遊びたかったのでちょっとがっかりでした。

残念・不満だったところ 2.ゲームバランスがいまひとつ

 とにかく難しい。

 序盤の難易度は、今までレビューを書いてきたゲームの中で最も難しいです。あの「ワイルドスケープ」や「トロパズル」を超えています。その理由がこちら。

<増殖ギミックの登場が早い>
 増殖ギミックとは、一手動かすたびに増えるおじゃまブロックのようなもの。「ホームスケイプ」や「トロパズル」では泡の形をしています。本作で初めて登場するのは32面。「ホームスケイプ」では91面、「トロパズル」では103面で初登場ということを考えると、いかに「おすしパズル2」で登場するのが早いのかがよく分かります。

<アイテム落としの落下判定が厳しい>
 アイテム落としとは、クリア目標の一つであり、アイテムをパズル画面の一番下まで移動させることで目標が達成されます。「ホームスケイプ」ではドーナツ、「トロパズル」ではカモさんの形をしています。
 多くのゲームでは、全ての列あるいはほとんどの列で一番下までアイテムを移動させたらOKということになるのですが、「おすしパズル2」では8列中4列だけがOKという、厳しい判定が行われるステージが続々登場します。
 もし、落下判定のない列にアイテムがある場合は、自力で落下判定のある列へアイテムとピースを入れ替えるという高度なテクニックが要求されます。ブースターを使って直接アイテムの位置を変えるという手段が存在しないので、プレイヤーは苦戦を余儀なくされるでしょう。

<手数が少ない>
 序盤のステージで、ブースターを使うのが前提でのクリアなのか?と思う面があります。

<クリア目標が多すぎる>
 場所によっては6つのクリア目標が設定されている面が存在します。隣同士のクリア目標数が重なっていて数字が見えないなんてことも・・・。

<なぜか101~200面より、1~100面のほうが難しい>
 どう考えても1~100面までに難しい面があるので、ゲームのルールに慣れてきたから101~200面のほうが簡単だと感じるわけではない気がします。


 単にパズルが難しいだけなら、上級者におすすめすることができるのですが、このゲームについてはそれは難しいと判断しました。例えば、こんな面があるんです。

<手数が多すぎる>
 手数が多いのなら親切だと思われるかもしれませんが、このゲームでは80以上の時があります。80・・・これ、かなり多いです。他のゲームだったら手数は多くて30台か40台なので、本作はその2倍かそれ以上ということになります。
 さらに、この手数の多さはクリアした時に悲劇を生みました。それは、

  クリア後のボーナスがなかなか終わらない

 クリア後のボーナスとは、パズルをクリアした時に残った手数と同じ量の特殊ピースがパズル画面に降り注いでピースを消してくれるというもの。この時、特殊ピースが他のピースを消した弾みで、新しく特殊ピースができてまた消えるという流れになることがあるので、残った手数が多いほど、ボーナスが長く続きやすくなります。
 じゃあ、このゲームの場合どうなったのかというと、これは私の実体験なのですが手数80超えの面で30手残してクリアしたところ、クリア後のボーナスが終わるまでに5分以上かかったことがありました。
 しかもこのゲームではクリア後のボーナスを見ずに省略する機能はありません。

 パズルってたくさん消えることが楽しいゲームなのですが、このゲームについては例外でしたね。なかなか終わらなくて逆にストレスがたまってしまいました。

 それから、こんなのもあります。

<目標消しの精度が低い>

 目標消しとは、自動でステージクリアの条件に沿ったピースへ飛んで消してくれる特殊ピースのこと。「ホームスケイプ」でいうところの紙飛行機です。
 この特殊ピースはどのゲームでも共通して言えることなのですが、必ずしも自分の希望通りの場所を消してくれるとは限りません。ところが、このゲームに関しては目標消しの精度の低さが、他のゲームに比べて頭一つ・・・いや二つも三つも飛び出ています。例えば、クリア条件とは全く関係ないところを消したり、なぜかアイテム落としのアイテムに直撃したりします。ここまで目標消しをアテにできないゲームは珍しいです。


 このように、残念・不満だったところとして「ゲームバランスがいまひとつ」という項目を挙げたのは、単に難易度が高いということだけではなく、手数の多さや目標消しの精度が低さによってプレイヤーのストレスが貯まる要素が含まれていたからです。
 どんなにブースターのもらえる頻度が高くても、ブースターを使えばクリアできるようなゲームでも、こうした仕様である以上、申し訳ないですがこのゲームを誰かにおすすめすることは難しいです。手数が多すぎる所は減らしたり、目標消しの精度を上げたりするなどしてゲームバランスやクオリティを見直せば、もう少し楽しく遊べるゲームに変わるのではないでしょうか。

残念・不満だったところ 3.ルール説明が不十分

基本的なルール説明は少しありますが、特殊ピースやギミックの説明は少なかったです。

<特殊ピース>
 ゲーム中に説明があったのは横ボム(横一列消し)と雷ボム(色指定の一種類消し)のみ。むしろ説明していない特殊ピースの種類のほうが多かったです。

<ギミック>
 一部のギミックは説明がありましたが、こちらも説明が無いことのほうが多いです。例えば、氷(増殖する)や、バラン(バランで仕切られているところはピースを入れ替えられない)など。いずれも初めて見たユーザーには、説明が無いと理解できないような難しいギミックばかりです。
 中でも特に驚いたのが、ピースが落下する方向が変わるギミックの説明が無かったことでした。
 他社のゲームでは風と呼ばれることがあるギミックなのですが、これが登場するとピースがどの方向に流れるかガイドが表示されることが多いです。でも本作ではギミックの説明が無ければ、ガイドの表示もありません。どのようにピースが動くのかは、実際に消して目で追わなければなりません。

 また、ゲームの設定画面にはヘルプページが無いので、再度ルールを確認するには、もう一度該当するステージで遊んで説明を聞くか、後述するYoutubeの動画を見る必要があります。

<Youtubeの動画>
 ゲームのリリースから約半年後。本作の運営会社さんが、YouTubeに特殊ピースやギミックの説明動画を投稿しています。

【YouTube 本作の運営会社さんによる投稿動画】

 おすしパズル2 - YouTube

 動画で説明してくださるのはありがたいですが、まずはゲームでの説明が第一では・・・。

終わりに

 このような現状があり、今回は大変厳しい評価に至りました。
 しかし、本作に対して永遠に星1のレッテルを貼るつもりはありません。スマートフォンのゲームアプリはアップデートができますから、今後の動向次第では評価の再検討を行う必要があります。「1つのゲームで3種類のパズルが楽しめる」という要素は、他社ではなかなか見られない魅力です。その良さを生かしながら、素晴らしいゲーム開発並びに運用が行われることを心から願っています。

レビューの作成日:2021年6月7日